経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く市場環境といたしましては、依然として部品供給の完全回復には時間を要することが見込まれるとともに、為替変動やウクライナ情勢を起因とする各国経済への影響につきましても引き続き注視が必要な状況となっております。なお、2022年3月期より続く部品の供給不足や大幅な為替変動は当社グループの生産活動に大きな影響を及ぼしており、部品調達コストの増加が業績に大きく影響する状況となっております。当社グループといたしましては、引き続き部品調達先との調整を行うことにより、可能な限り早期での商品の安定供給を実現し、業績の拡大に努めてまいります。

なお、中長期的な成長ドライバーとしては、国内の集合住宅市場を中心としたリニューアルと海外市場であると考えております。特に海外市場におきましては、引き続き北米、欧州が中心となることは間違いないものの、アジア・オセアニア地域の更なる拡大に向けてシンガポールを中心とした販売体制の強化を進めてまいります。また、当社グループのサステナビリティ基本方針に基づき、社会課題の解決に向けたサービスの販売についても積極的に取り組みを進め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

サステナビリティ基本方針

アイホングループは、経営理念である「自分の仕事に責任を持て 他人に迷惑をかけるな」に基づき、全てのステークホルダーが安心・安全・快適を実感できる商品やサービスを提供することにより、持続可能な社会の実現に貢献します。

詳細は当社ウェブサイトをご参照ください。

サステナビリティ基本方針

国内市場

住宅市場につきましては、戸建・集合ともに新築住宅の着工戸数の増加には期待を持つことができないものの、予てより高まりを見せるセキュリティニーズを背景に、引き続きリニューアル需要は拡大することが予測されます。また、病院市場の新設着工件数も増加することは期待できず、高齢者施設等においても高齢者の増加で需要自体は拡大するものの、介護従事者の人員不足等により市場環境といたしましては厳しい状況が予測されます。

住宅市場

戸建住宅につきましては、安定した商品供給の実現を図るとともに、高い評価をいただいているワイヤレステレビドアホンを中心に、オンラインを含む販売の拡大につなげてまいります。集合住宅につきましては、宅配ソリューションサービス「Pabbit」を中心とした付加価値提案を強化することにより、社会課題の解決に向けた取り組みを推進するとともに、リニューアル受注活動の効率化に向けた支援体制の強化を行い、売上を拡大してまいります。

ケア市場

リニューアルに向けたスマートフォンや見守りカメラとの連動システムの提案を強化するとともに、補助金活用を含む導入事例を全国展開し、販売を拡大してまいります。また、IPネットワーク対応ナースコールシステムを中心に、医療・介護従事者の円滑なコミュニケーションと業務の効率化などに向けたスマートフォン用アプリケーション「CareRings Contact」によるソリューション提案を推進し、提供価値の拡大を図ってまいります。

海外市場

北米・欧州を中心にインフレ等による景気減退の懸念はあるものの、セキュリティニーズの高まりを追い風にさらなる需要の拡大が見込まれます。引き続き、北米・欧州を中心にテレビドアホンやIPネットワーク対応商品のさらなる市場浸透を進め、販売の拡大につなげてまいります。また、アジア市場のさらなる開拓に向け、シンガポールを中心とした販売体制の強化を進めてまいります。

また、上記の各市場における活動とともに、現在の事業領域だけでなく、新たな分野での価値提供を目指し、積極的な投資を行ってまいります。

生産活動

効率的な生産と商品の安定供給に向け、引き続き自動化と省人化の促進に向けた投資を進めるとともに、部品調達先をはじめ、サプライチェーンにおける関係強化を図ってまいります。また、グループ全体最適の観点による生産体制の構築を進めることにより、利益の創出につなげてまいります。

商品開発

国内外の市場ニーズに応じた魅力的な商品を創造するため、多様化するお客様ニーズに応えることができるよう、必要に応じてM&A等を実行するなどグループ開発体制の更なる強化に向け、より積極的な開発投資を進めてまいります。