
- 若林
- 「これまで点と点だったセキュリティが、技術の進歩によって線になり、面となってより広い範囲の安全を守っていく。そんなイメージでしょうか」
- 竹内
- 「そうなっていくと思います。『長寿命』であることが、アイホン製インターホンのひとつの強み。『いつもそこにある』ことは、ネットワークを形成していく上で重要な要素ですよね」
- 楠
- 「ネットワークに繋がるインターホンとしては、開発手法も変えて行く必要があります。全て一から作る時代も終わり、組み合わせの技術開発が今後の進むべき道ですね」
- 若林
- 「たしかにそうですね。自社でできることとできないことを見極めて、戦略的にアイホンにはない技術を持つ会社と連携しながら、作り上げていくことができるのは専業メーカの強みですね」
10年後は未来ではなく、すこし先にある現実だ。そんな声が聞こえてきそうなほど、具体的なビジョンについて意見が飛び交った座談会。参加メンバーは各部門において普段から先を見据えて仕事をしている、部長をはじめとする責任者クラスの3名。住宅セキュリティ市場の「参入障壁の高さ」や「競合商品と比べた際の寿命の長さ」など、現在の事業優位性を軸に話が展開。現実の上で、アイホンのセキュリティがどのように変化していきそうか。入社後、むこう10年の会社のビジョンとしてご覧ください。

若林 一磨
KAZUMA WAKABAYASHI
情報システム部 IT開発課 課長
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タウンセキュリティを高め、泥棒が仕事をしにくい街にする。
10年後、セキュリティの分野では特に、「集合住宅」でその価値を発揮できるようになると考えています。現在、集合住宅市場におけるアイホンのシェアは約6割。そこに暮らす人たちがみんな、高セキュリティなテレビドアホンを設置しているという状況を生み出せば、一棟のセキュリティにとどまらず、街全体のセキュリティを高めていくことができます。
世の中にはすでに、人ごみのなかで異常な行動をとっている人を感知するとアラートが出るような技術もあります。自社ブランドにはこだわりながら、そんな技術を持つ企業と協力して、社会を守るというシステムを作り上げていく。これからは、よりそんな役割が大きくなっていくのではないでしょうか。
また、病院や介護施設などでもカメラによる見守りニーズの高まりも感じています。ナースコールの呼び出しがあった際に看護師の持つスマートフォンから各病室の様子をカメラで確認することで、本当に緊急性の高い患者様の対応に集中することができる。また、看護師や介護士による事故などを未然に防ぐためにも活用できるようになります。いずれにしても、インターホンとナースコールの専業メーカであり高いシェアを持っている。この事業ポジションを確立している当社であるから、技術アライアンスを活用した価値づくりが行いやすいのです。

竹内 則行
NORIYUKI TAKEUCHI
コンタクトセンター お客様相談センター 主幹
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参入障壁の高い市場だからこそ、攻めの姿勢が問われる。
アイホンがなぜ、集合住宅市場で60%以上のシェアを持っているのか。それはインターホン市場のパイオニアであることはさることながら、長い歴史のなかで業界に先駆けて「消防検定品」に認定されたから。
マンションなどを建てる際、この認定を受けたインターホンの導入が義務付けられるようになったため、国内メーカーだけでなく海外メーカーが容易には参入できなくなったのです。消防検定品の認定は難易度が非常に高いと言えますね。
しかし、そんな市場であるからこそ、現状に満足することなくより良いものを生み出していく必要があります。あるとき「タブレットでもいいのでは?」という意見をいただいたことがありますが、現行のタブレットは住宅設備として適応しにくいのでは、と私は思います。たとえば、インターホン機能を持たせたとして、タブレットを15年使いつづけることが可能でしょうか。アイホンのインターホンなら、それができる。1日のうちに使用時間は1~2分かもしれませんが、ユーザーと将来にわたって10年、20年という関係が築けるのはインターホンだけなのです。

楠 浩和
HIROKAZU KUSUNOKI
商品開発部 部長
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より良いセキュリティを、より早く人に届けるための開発努力が必要。
セキュリティビジネスも多くのモノとモノが繋がるオープンなプラットフォームとなり、参入する競合が増えていく脅威があります。その中で、いかに早く安く開発するかも重要なポイント。今後、研究で必要なのが、オープンハードウェア、オープンソフトウェアの活用による開発スピードの向上。世の中で既に存在しているモノやサービスを上手く使って、組み合せて効率よく開発し、独自性のある知恵の詰まったアプリケーション開発に注力していきたいと考えています。
「15年使える」というアイホン製品の強みはそのままに、オープンソースを活用していかに良い製品をつくっていくか。実現できるかどうかは、エンジニア一人ひとりが時代に合わせた開発スタイルに変革できるか、にかかっていると言えるかもしれません。