医療法人裕徳会 よこはま港南台地域包括ケア病院 様

将来を見すえたICT化で医療・看護の輪を創造

課題

  • 新病院のコンセプトの実現に、導入するシステムは10年先のケアを見すえた構築を行っており、各種医療情報機器のハブとしての役割を担うナースコールには連携能力を重視した選定を行う必要があった。
  • 設備の制約に縛られない看護の実現を目指すのはもちろん、身体拘束ゼロの方針に沿い、看護業務をアシストする機器の導入が求められた。

解決

  • Vi-nurseが核になり「ケアシステムの輪」を構築
  • Vi-nurseは多くのベンダーと連携実績があり、Vi-nurseとの連携を核としてシステムの構築を一気通貫で実現できた。
  • 出勤スタッフ全員がスマホを持てるようにし、誰もがその場で呼出応対、内線が可能に。スマホは着信が早くセンサー呼出にも即応対可能。
外観
病院名 医療法人裕徳会 よこはま港南台地域包括ケア病院
所在地 神奈川県横浜市港南区日野南3丁目7-15
ベッド数 120床
運用開始時期 2021年5月1日
納入システム Vi-nurse(ビーナース)
ケアリングスコンタクト

Q:ICT化、DXの推進で重視した点をお教えください

A:10年先の医療・看護を見すえたシステム構築と、ナースコールは電子カルテ等との連携能力を重視。

神谷様:今必要とされている地域包括ケアとは、在宅、入院を問わず、どんな病気でも最後まで患者さんの療養のフォローができる事であり、当院のコンセプトでもあります。患者さんと手を握りあい、患者さんから「ありがとう」と言っていただける事が私達の不変のゴールです。
10数年前、先代との世代交代の必要もあり本院の港南台病院に入職しました。今回の当院の建設は、自らが抱く地域包括ケアの理想像と本院の環境の間で感じていたギャップをICT化、DXで解消する良いチャンスでもありました。それに伴い、医療システムは機能の不足を都度補うことがないよう、10年先の医療看護を見すえた構築を行っています。実務は事務次長の藤岡を中心としたブレーンが進めてくれました。
例えば、電子カルテ。円滑な訪問診療が行えるよう、モバイル端末から患者情報を画像付きで閲覧できるようにしています。今後は地域の医療機関と患者情報を共有することが当たり前の時代になるかもしれませんね。
また、病棟は患者さんの生活の場という視点から、患者さんに院内のWi-Fiを開放しています。コロナ禍でニーズの高かったリモート面会が当たり前のようにできる環境です。

藤岡様:普段からスマホでインターネットを利用する患者さんがWi-Fiを使えない環境で過ごすのはストレスになります。医師から許可を貰い、病室からインターネットでファーストフードを注文された患者さんもおられました。

神谷様:在宅から入院生活へシームレスに移行できストレスのない環境づくりを目指し、病棟の設計には患者さんの動線にもこだわりました。

Vi-nurseの選定理由は「多くのベンダーとの連携実績」

藤岡様:コンセプトの実現に、電子カルテはCTなどの医療機器と本院の電子カルテとの連携がマスト。ナースコールも電子カルテや医療機器、スマホなどのハブになることから、連動能力は不可欠な要素です。Vi-nurseを選んだのは、まさに多くのベンダーとの連携実績があるからでした。Vi-nurseとの連動を核にして、システムを一気通貫で構築できました。

神谷様:看護師さんが持つスマホはVi-nurseとの連携で呼出時に電子カルテの情報が表示され、情報を見てすぐ駆け付けられますね。呼出の応対が早くなり、患者さんをお待たせしないところが本当に良いと思います。

藤岡様:スマホの導入は内線通話網とIP網の2系統を併設せず、IP網1系統に集約できるという物理的なメリットがありました。IP網の導入でこだわったポイントは「切断させないこと」ですが、アイホンの協力のもとで整備し無事実現しました。

神谷様:人の輪をつなぐのは仕事の基本。それをスムーズにするのがICTの役割だと思います。今後はメタバースのような仮想空間に病院があり、患者さんは全国のドクターとつながりコンサルトを受けてから現実世界の病院に入院するような時代が来ると思います。アイホンにも協力頂きながら、新時代の医療ニーズを柔軟に取り入れ、実現できる病院でありたいですね。

スマホの着信は遅延が少なく センサー呼出の応対が迅速に

玉手様:看護部長をしています。当院の立ち上げに伴い組織作りから携わっています。患者さんからの呼出応対で使用するスマホは、勤務するスタッフが全員携帯できるようにお願いをしました。限られた数の端末を探して歩くという状況を作りたくなかったんです。少しでも無駄を省き、看護師が業務に注力できる環境にしたいと思いました。

辻本様:本院で長く勤めた後、当院の看護師長に着任しました。スマホは本院で使用していたPHSと比べ着信が早いですね。全然違います。

玉手様:当院では身体拘束ゼロを方針としているので、センサーからの呼出にはすぐ応対する必要があります。着信にタイムラグがあるとセンサーを付ける意味が無くなってしまいます。

佐藤様:PHSの遅延は私も他病院で勤めていた頃に感じたことがあって、センサーが反応してもPHSは各端末を順番に呼び出すので気づくのが遅くなり、患者さんを転倒させてしまったこともありました。スマホならすぐ呼び出してくれるので助かります。呼出種別も表示されるので、センサーからの呼出に優先して応対するなど、考えて行動できます。

玉手様:看護師の多くは「あの時もう少し早く駆け付けていれば」という苦い経験を持っています。解決に貢献してくれるスマホは、病院の備品というよりも「患者さんのために良い仕事を一緒にするアイテム」。愛着が沸いています。

辻本様:スマホは今日1日の仲間という意識がありますね。内線通話にはアイホンのケアリングスコンタクトを活用しています。新しく入職した人が多い当院ですが、顔写真と所属も表示されるので、人物がすぐ分かり助かります。

電子カルテとの連動で スタッフの業務時間を短縮

玉手様:ナースコールは電子カルテと連動しているので、患者名がナースコール親機や病室前の液晶表示灯に自動で反映されます。患者名をいちいち手書きして貼る煩わしさがないのが便利ですね。デジタルマグネット機能も電子カルテと連動して自動表示してくれると楽ですね。

佐藤様:手書き業務が無くなることで業務時間を短縮できます。また、病室のナースコール子機のプラグはシンプルな形で、穴の形状を確認して接続する手間がないです。

辻本様:院内のWi-Fiを患者さんに開放しています。基本的にWi-Fiは自由にお使いいただけるので、LINEなどの通信アプリを患者さんご自身の判断で活用されています。

佐藤様:コロナ禍で面会制限がある中、ご家族は患者さんからの連絡を楽しみにしています。患者さんがスマホをWi-Fiに接続し自由に連絡でき、ご家族やご本人も安心だったと思います。

辻本様:お仕事をしたい患者さんにWi-Fiが使えますよとお伝えすると「助かりました」という反応をされる方もおられましたよ。

玉手様:当院はトップを含め、コミュニケーションを重視しています。スタッフも勤務する全員がスマホを持ち、いつでも全員が発信できる環境で、心の距離が更に近くなっていますね。

よこはま港南台地域包括ケア病院 の皆様

神谷様 院長
神谷様
藤岡様 事務次長
藤岡様
玉手様 看護部 部長
玉手様
辻本様 看護部 看護師長
辻本様
佐藤様 看護部
佐藤様
皆様
人と人との絆を大切にしながら、地域住民の健康と福祉の充実を目指す強い意気込みが伝わりました。

導入機器

卓上型PC親機
機器写真

電子カルテの患者情報表示、センサーからの呼出表示等、各種機器と連動して看護業務を支援。

※画面ははめ込み合成です

病室前の液晶表示灯
機器写真

電子カルテの患者情報を 液晶画面に表示可能。

スマートフォン
機器写真

スマートフォンの導入で患者さんからの呼出への応対が迅速になり、職員間のコミュニケーションもスムーズに。

呼出方式
機器写真

スマートフォン
一斉呼出時(16台まで)

端末をほぼ同時に呼び出すので、迅速な応対が可能。

機器写真

ハンディナース(PHS)
スライド呼出

端末を順番に呼び出すので、患者さんをお待たせすることも。

ケアリングスコンタクト(スマートフォンアプリ)
機器写真

医療従事者をつなぐ たった一つのアドレス帳

よこはま港南台地域包括ケア病院様からは、共用端末で専門職の出勤状況の確認ができたり、名前と所属が表示されるので、新しいスタッフが多い現場でも連絡が円滑に行えるなど高い評価を頂きました。

システム構成図

システム構成図

※機器、スマートフォンの表示画面ははめ込み合成です

※本ページに記載の情報は取材時点の情報であり、変更されている可能性があることをご了承ください。