福島交通 飯坂線 駅間連絡システム
無人駅のお客様サポートに遠く離れた有人駅から対応できる遠隔通話、映像確認システムを実現
福島交通株式会社様が運営されている鉄道「飯坂電車」の無人駅のお客様サポートのために、「IXシステム」を導入いただきました。
福島交通株式会社 鉄道部 部長 三浦賢一
様、株式会社 エフコム福交システムズ 営業本部 民需ビジネス担当 課長 戸田崇 様に、IXシステム導入の経緯やその効果について、お話を伺いました。
課題
解決
Q:IXシステム導入の背景は?
A:無人駅舎の自動券売機導入にあわせて、お客様サポートのための手段が必要でした。
三浦様:飯坂電車は2015年で開業から91周年。沿線に住宅地が多く、おかげさまで1日平均7,000 人位のお客様にコンスタントにご利用いただいています。駅の運営方針として早くから無人化を進めていまして、従来は車内で乗車券を発売する方法を取っていました。2015 年4月、お客様の利便性向上と乗降区間などの情報把握を目的として、飯坂線にもIC カードシステムを導入することになり、ICカードを持たないお客様のために自動券売機を設置する必要が出てきました。当然、弊社の駅は無人駅……万が一、自動券売機が故障した場合、お客様サポートのための手段が必要です。そのやりとりの手段として、適切な通信設備の導入に踏み切りました。
Q:IXシステムご採用の決め手は?
A:シンプルな操作性でお客様に使いやすく、カメラ付で犯罪抑止にも役立つことがポイントでした。
三浦様:アイホンのIX システムはインターホンなので、お客様はもちろん、弊社社員にとっても使いやすいということが採用の大きな決め手になりました。また、すべての無人駅に現金を入れた自動券売機を設置するので、ドアホン端末にカメラ付が選べたことも採用理由のひとつです。お客様の顔がきちんと見えたほうが対応しやすいですし、犯罪抑止と発生した場合の対応に、映像での記録が一番役立ちますから。
戸田様:自動券売機にインターネット網を利用していることから、そのネットワークを使ってVPN 接続で利用できるのもポイントでした。VPN 接続だから専用線を敷設する必要がなく、コストを削減できるのがいいですね。また、屋外の利用に対する耐久性も考慮しました。
Q:導入後、実際に運用されて良かったところは?
A:ドアホン端末の映像を録画システムで活用しています。インターホンならではの安定性もいいですね。
三浦様:カメラの性能が想像以上に良く、録画した映像が思わぬところで役立ちました。先日、福島県警さんから鉄道利用客の中に特定の不審者がいなかったかどうかの問い合わせがありまして、ドアホン端末のカメラによる録画記録を確認したところ、不審者の顔がしっかり映っており、検挙に役立ちました。その他、お客様とのコミュニケーションとは別の使い方として、自動券売機のメンテナンス時にも使っています。IX システムの音声通話を使いながら作業員と運転指令との間で作業方法などを確認したり……使いやすいので、細かなやりとりに丁度いいんです。
戸田様:IXシステムの電源はLANケーブルから給電(PoE)できるので、ケーブルまわりもすっきりとシンプルに施工できました。使い慣れたインターホンですし、特別なメンテナンスをする必要もないですから、導入以来、安定的に運用いただいています。
Q:今後IXシステムを使って実現したいことは?
A: お客様サポートの質の向上のために、活用の幅をもっと広げていきたいと考えています。
三浦様:今後はICカードシステムなど新しい設備をフル活用しながら、沿線の活性化や飯坂線のお客様を増やす施策をいろいろ進めていきたいと考えています。IXシステムもインターホンならではの使いやすさを活かして、運行時間のお問い合わせにご利用いただくなど、お客様サポートの質の向上のための活用の幅をもっと広げていきたいですね。日中はご年配のお客様も多いですから、駅舎のバリアフリー化推進の側面からも、これからますます活用できればと思います。
戸田様:汎用性の高いIXシステムの拡張性を活かした展開を考えていければと。今回の鉄道関係の利用以外にも、例えば、商業施設でのコミュニケーションや防犯設備としての使い方など、日々活用方法を考えながらご提案を進めているところです。
福島県中通り(国道4号線・東北本線沿い)を主な営業エリアとして地方鉄道・乗合バス・貸切バスを主幹事業とした、福島交通グループの中核企業。今回アイホンのIX システムが導入された飯坂線は、大正13 年4 月の開業で、利用者数は年間約268 万人。沿線住民の大切な足として、長年親しまれている。
IXシステム
録画システム (他社製)
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