インターホンといえば住宅を思い浮かべる方が多いと思いますが、アイホンのインターホンの歴史は意外にも"旅館"での採用から始まりました。今回は、アイホンの「原点」についてご紹介いたします。

  • お客様第1号
  • メーカー標準品第1号「TETA PHONE(テータホン)」

お客様第1号

お客様第1号は1951年(昭和26年)1月にご採用いただいた、当時名古屋駅前にあった「むさしや旅館」になります。今から71年も前のことです。
意外にも最初にアイホンのインターホンが設置された場所は"旅館"でした。

当時、6畳の下宿部屋の家賃が月3千円の時代に、インターホンは1万数千円もする大変高価な物でした。インターホン自体一般家庭はおろか業界でもその存在を知る人は少なかったといいます。
しかし、朝鮮戦争勃発を機に景気が急速に上向いてきた世相を背景に、名古屋駅前の旅館は予約なしでは泊まれないほどの盛況ぶりでした。連日、満員のお客様を抱え、帳場と客、帳場と女中さんは頻繁に、効率的に、連絡を取り合う必要があります。そこでインターホンの需要が生まれ、ご採用へとつながりました。

むさしや旅館

※出典:むさしコーポレーション様ホームページより

メーカー標準品第1号「TETA PHONE(テータホン)」

1952年(昭和27年)に発売された真空管式同時通話インターホン「TETA PHONE」が、アイホンとしてのメーカー標準品第1号となります。名前の由来ですが、"TETA"は"対話"を意味するギリシャ語で、創業者の知人である当時の武平町の図書館長が名付けました。
このテータホンには3つの特許があります。1つは交流電源を使用する際、三極真空管から60ヘルツの音が出るのを除去する回路。2つ目は同時通話を3線で行う回路設計。3つ目はハウリングが起きないようにスピーカーとマイクロホンの組み合わせ方法です。
大卒初任給が7,650円の時代に1台19,400円と高額で、しかも双方向ですから最低2台は必要になります。それでも、これまでこうした連絡用機器は無かったため、多くの人の注目を集め、累計出荷台数400台を超えました。初の商品カタログとなったテータホンのカタログは、高層ビルを背景にインターホンの先進性をイメージした当時としては斬新なデザインでした。

テータホンのカタログ

初の商品カタログとなったテータホンのカタログ
昭和27年(1952年)

テータホンのレプリカ

本社ショールームにあるテータホンのレプリカ

インターホンの専門メーカーとして創業74年。戦後の復興と同時に成長してきたインターホン。その後の発展の歴史はこちらからご覧ください。

To be continued...

アイホンの歴史

アイホンの歴史