
近年増加傾向にある鉄道の無人駅。障害のある方を含むすべての利用者が、安全・円滑に駅を利用できるようにするため、2022年に国土交通省がガイドラインを策定しました。そこにアイホンのIPインターホンの採用事例が掲載されましたので、ご紹介いたします。
2023/02/02お役立ち情報
- 「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」とは?
- 無人駅の望ましい姿と、アイホンがご提案できること
- IPインターホンを使ったバリアフリー対応例
「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」とは?
近年、鉄道駅では無人駅が増加傾向にあります。国土交通省が発表したデータによると、2019年度末時点で、総駅数に占める無人駅の割合は約5割に上り、2001年からの約20年間で、400以上の駅が無人化されています。
※出典:国土交通省「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン 概要」
その背景には、少子高齢化の進展などによる鉄道利用の減少や、深刻な人手不足があり、鉄道事業者においては経営の合理化努力が続けられています。
一方で利用者、特に障がいのある方が、できる限り不便なく、安全に鉄道を利用できる環境が求められます。
そこで、障がい当事者団体、鉄道事業者、および国土交通省の三者からなる意見交換会にて議論を重ね、策定されたのがこのガイドラインです。
無人駅の望ましい姿と、アイホンがご提案できること
ガイドラインでは、障害特性(視覚・聴覚・車椅子など)に応じた適切な情報提供や、利便性の向上など、利用しやすい環境づくりに配慮した無人駅のイメージが提示されています。
ガイドラインが描く望ましい無人駅のイメージ
※出典:国土交通省「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」
その中でアイホンがご提案できることは・・・
※出典:国土交通省「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」より抜粋、加工して作成。
インターホンならではの映像と音声によるスムーズな遠隔コミュニケーションや、緊急事態の迅速な通報・状況把握を実現します。
「そういえば、最近駅でカメラやモニターが付いたインターホンを見た!」という方や、「トイレで緊急用のボタンをよく見るな・・・」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際に、アイホンのIPネットワーク対応インターホン「IXシステム」をご採用いただいた事例が掲載されていますので、ご紹介します。
インターホン(カメラ・モニター・書画台付き)
- 利用者がオペレーターを呼び出し、必要な案内のほか、精算やきっぷの購入のサポートを行うとともに、移動のサポートをする係員等の速やかな手配などを実施
- カメラによる乗車券類の確認機能、IC カード処理機能、筆談や資料案内ができる双方向の画像表示機能等の搭載も可能
※出典:国土交通省「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」より抜粋、加工して作成。
遠隔監視システム
- 無人駅を有人駅等から遠隔監視するシステム
- 遠隔で駅務機器・放送設備・監視カメラ・インターホン等の操作が可能
※出典:国土交通省「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」より抜粋、加工して作成。
IPインターホンを使ったバリアフリー対応例
ここからは、ガイドラインに掲載されたIPネットワーク対応インターホン「IXシステム」で実現する、無人駅のバリアフリー対応について、もう少し詳しくご紹介したいと思います。
筆談・手話でコミュニケーション
離れていてもお互いの顔を見ながら、まるで対面しているかのように対応することができるIXシステム。筆談メモや切符などの文字情報もしっかり見えるので、耳が不自由な方や外国の方のサポートにご活用いただけます。
書画台に設置したネットワークカメラと連動すれば、券面確認もスムーズです。
動画で見る!
異なる2つのアングルのカメラで状況把握
お客様からの問い合わせに遠隔で対応するとき、相手の様子が見えなくて、うまくサポートできないケースがあります。
例えば、無人駅で乗り越してしまったお客様に、運賃箱の位置を伝えたいとき。お客様と運賃箱の位置関係や、お客様がどこを向いているかが見えれば、もっとスムーズに伝えることができるはず。
IXシステムなら、お客様を正面からとらえた映像だけでなく、連動するネットワークカメラの俯瞰映像で周囲の様子も確認することができます。
また、券売機を操作するお客様の操作サポートにご活用いただいている事例もあります。
湘南モノレール株式会社様 導入事例より
インターホンの映像を常時録画・監視
インターホンは、呼出ボタンを押して初めて映像が映るもの。そう思われている方が多いのではないでしょうか?IXシステムのカメラは、呼出ボタンを押さなくても映像を常時、映像監視・録画システムに送ることができるんです。監視カメラと同じようなイメージですね。
利用者の安全確認はもちろん、カメラを意識させずに不審者の姿をとらえることができ、無人駅の防犯にも役立ちます。
バリアフリートイレの緊急呼び出し
無人施設では、緊急事態の把握や対応も課題の一つです。
IXシステムは、トイレからの緊急呼び出しにも対応しています。すぐに駆け付けられない場所でも、一旦通話で状況を確認することで、迅速な一次対応を行うことができます。
扉の誤操作によりトイレ内が無人のまま施錠されてしまった場合や、防犯上やむを得ず常時施錠する場合などは、インターホンで問い合わせを受け、遠隔で解錠することも可能です。
鉄道駅だけでなく、今後も増えていくであろう無人の施設。障害のある方、ご高齢の方、外国の方など、すべての方が安心して利用できるために、アイホンができることをこれからもご提案していきます。