24時間365日マンション内で火災が起きていないかを見守る自動火災報知設備は、いざという時に"作動しない"なんてことがないように、定期的な設備点検が義務づけられている重要な設備です。あまり知られていないですが、マンションに設置されているインターホンとは切っても切れない関係だったり・・・今回は自動火災報知設備とインターホンの意外な関係性と同時更新した場合のメリットについてご紹介します。

  • それぞれの更新目安について
  • インターホンと自動火災報知設備の関係性
  • 自動火災報知設備が正常に作動しないと・・・
  • インターホンと同時更新がおすすめ

それぞれの更新目安について

インターホンの更新目安は15年とされていますが、自動火災報知設備の更新目安はご存知ですか?自動火災報知設備はインターホンと同じようにマンションの安全を守るため、24時間365日動き続けています。普段あまり気にすることはないですが、リビングや寝室の天井をよく見てみると感知器がついていますよね?この感知器もお部屋の火災をいち早く感知するため常に動いています。感知器の更新目安は10年または15年とされています。(下記参照)また、管理室などに設置されている火災発生場所を知らせる受信機は更新目安が15年とされています。

自動火災報知設備例

自動火災報知設備更新目安

マンションには自動火災報知設備に関するいろんな機器が設置されていますが、これらはすべてマンション竣工時から休むことなく動き続けています。そのため、目に見えないところでの部品の経年劣化は避けて通れません。いざという時にきちんと自動火災報知設備の機能が働くように、定期的な点検や適正なタイミングでの設備更新はとても重要と言えるでしょう。

インターホンと自動火災報知設備の関係性

インターホンは、来訪者の応対や不審者をマンション内に入れないようにするために使うイメージが強いですが、実は自動火災報知設備とも関係しています。インターホンにはお部屋の中の感知器と繋がり、火災の発生を知らせる「火災受信機」としての機能をもったものがあります。お部屋で火災が発生すると、インターホンが火災感知器から火災信号をうけとり、お部屋の中と外に火災が発生したことを知らせます。インターホンから火災発生のアナウンスが流れるため、周囲にも火災が発生したことを知らせることができます。

火災受信機としてのインターホン

また、マンションの大きさや構造にもよりますが、火災が発生したときに管理室の受信機と連携して、そのお部屋だけではなく出火した階と直上階のすべてのお部屋のインターホンに火災発生を知らせます。これは近隣にいち早く火災発生を知らせる仕組みです。

近隣に火災を報知

このように、自動火災報知設備のひとつとしてインターホンが使われている場合があります。

自動火災報知設備が正常に作動しないと・・・

自動火災報知設備が正常に作動しなかった場合、火災が発生した住戸だけでなく、他の居住者にも火災が発生したことや発生場所を知らせることができません。そうなると、初期消火活動が遅れてしまったり、火災発生場所が分からないため避難誘導ができなかったりと、人の命に係わる事態に発展してしまう可能性があります。設備更新を先延ばしにすることで、非常時に火災を感知できなかったということがないように、適正なタイミングで自動火災報知設備を更新することが、マンション全体の安全を守るためにも重要と言えるでしょう。
火災感知器が繋がればインターホンも自動火災報知設備であることはお忘れなく・・・

非常時に感知できないと

インターホンと同時更新がおすすめ

マンション内のインターホンが火災受信機の機能をもっている場合、同時更新がおすすめです。その理由は3つあります。

1 安心です

お部屋のインターホンが新しくても感知器が壊れていたり、管理室の受信機が新しくてもインターホンが壊れていたりしたら、火災に気づくことが遅れてしまうかもしれません。そのような事態を防ぐためにも連動した設備は同時に更新するのがおすすめです。

2 住戸内での作業(設置工事・点検)が1回で済む

インターホンの更新は必ず住戸への入室作業が必要となります。自動火災報知設備を同時に更新する場合、お部屋の中の感知器の交換および点検が同時に行えます。
居住者からすると立ち会いが1度で済むのはとても助かりますよね。

3 同時更新で工事費を節約できる 

インターホンと自動火災報知設備の工事を別の日程で行うより、工事費を抑えることができます。各お部屋の工事だけではなく、管理室や廊下などの共用部での作業もまとめて一度の工事期間内で行うことができるため、工事期間や費用を抑えることができます。

専有部への入出作業を1回でまとめて

インターホンと自動火災報知設備どちらもマンションの安全を守るために、とても重要な設備であることを知っていただけたでしょうか。いざというときに、人の命そしてマンション全体の資産価値を失わないためにも、インターホンと自動火災報知設備の同時更新をご検討してみてはいかがでしょうか。