2024年問題を背景に、国土交通省は再配達削減のため、置き配の普及を目指し、宅配の新たな形を模索しています。そこで、私たちも再配達率の削減を目指している企業として、宅配に関するマンション居住者のリアルな声を知るためにアンケートを実施しました。

2025年6月、国土交通省は『標準宅配便運送約款』に標準サービスとして『置き配』を加える検討を始めました。現在も審議中ではありますが、対面での受け取りや再配達が有料になる可能性も出てきています。

背景には「2024年問題」があります。これは物流・運送業界で働き方改革の影響で、ドライバーの労働時間が制限されることにより発生する人手不足・輸送能力の低下・それに伴うコスト増加等の問題のことです。国土交通省は対策の一つとしてドライバーの負担軽減や物流効率化に不可欠な再配達率の削減に取り組んできました。しかし、目標の6%に対して、実際の再配達率は9.5%※と削減が思うように進んでいないのが現状です。

この課題を背景に、国土交通省は置き配の普及を目指し、宅配の新たな形を模索しています。そこで、私たちも再配達率の削減を目指している企業として、宅配に関するマンション居住者のリアルな声を知るためにアンケートを実施しました。

※令和7年4月国土交通省報道発表資料より

・調査概要:宅配への意識の実態調査

・調査対象:日本国内に住むオートロックのある集合住宅に暮らす18歳以上

・調査機関:2023年度 2023年8月21日 ~ 8月31日

      2025年度 2025年6月21日 ~ 6月30日

・調査手法:定量アンケート(セルフ/web)

・回答者数:2023年度 1,254名

      2025年度 1,247名

再配達への意識の変化 ~宅配物の受け取りに関する居住者アンケート~

まずは、2023年と2025年のアンケートで、荷物の受け取り方に対する意識の変化を見てみましょう。調査では、以下2つの質問をマンション居住者に聞きました。

  • Q1:対面での受け取りが必要で、在宅時間を調整したり荷物の配達時間を気にして行動することはありますか?
  • Q2:直近3か月で再配達を依頼した割合はどれくらいですか?

その結果は...

Q1:対面での受け取りが必要で、在宅時間を調整したり荷物の配達時間を気にして行動することはありますか

2023年と2025年の対面受取による配達時間を気にする割合のグラフ

解説

2025年では約90%の居住者が配達時間を意識して行動している結果になりました。2023年と比較すると、再配達問題への関心がより高まっていることが分かりますね。

Q2:直近3か月で再配達を依頼した割合はどれくらいですか?

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解説

再配達への意識の高まりによるものか、再配達「なし」の居住者は増加しています。

しかし、半分以上の荷物が再配達になっている居住者が3割以上存在するという事実も注目したい点です。

浸透しつつある再配達削減への意識。一方で居住者にはストレスの増加も・・・。

再配達削減への意識は確実に浸透しています。しかしながら、再配達を極力減らす努力をした結果、配達予定時間に自分の時間を合わせなければならず、ストレスを感じる居住者が増えているデータもあります。

Q3:対面での受け取りのために配達時間を気にすることに、ストレスを感じますか?

2023年と2025年の対面受取で配達時間考慮によるストレス割合のグラフ

解説

2025年では実に全体の90%以上が配達時間を意識して行動することにストレスを感じています。2023年と比較してもその割合は増加していることがうかがえます。再配達削減への意識の高まりにより、結果として配達時間の調整が生活の負担になっているようですね。

まとめ

配達の受け取りに対する意識は上がっているものの、それによりストレスを感じている割合は上昇しています。再配達の割合は多少減少してはいますが、問題はまだまだ解消されていないというのが現実です。今後マンション・アパートにおける『再配達率の減少』と『居住者のストレス減少』を両立させるためには、置き配を含め様々な荷物の受取方法を検討する必要があるのかもしれません。

ダウンロード資料には、本調査の結果に加え、宅配便の受け取り方についての居住者様の本音、および物件選びにおける重要ポイントを掲載しています。宅配設備に課題を抱えているオーナー様・管理会社様・管理組合様はぜひ本資料を居住者様の満足度向上にお役立てください。

6つの質問

  1. 宅配便の受け取り時に経験した困りごとは?
  2. 現在の住まいにおける宅配設備の改善してほしい点は? 
  3. オートロックマンションでの置き配に対する考えは?
  4. 置き配を利用したい理由は?
  5. 置き配を利用したくない理由は?
  6. 宅配環境の充実が物件選びの決め手になるか?

本調査レポートの全容はダウンロード資料よりご覧ください

置き配の意識調査レポートのダウンロード資料