少子高齢化が進む日本社会では、賃貸住宅の入居者層も高齢化が進んでいます。それに伴い、「孤独死」という社会問題が賃貸経営に直結するリスクとして浮上しています。孤独死は入居者本人にとっての悲劇であるだけでなく、オーナーにとっても物件価値の低下や原状回復費用の負担など、深刻な影響を及ぼします。本記事では、孤独死の現状と、見守りサービスをはじめとするリスク回避のためのさまざまな対策について解説します。
2026/01/16お役立ち情報
数字で見る孤独死の深刻さと賃貸経営への影響
日本社会では急速な少子高齢化が進み、賃貸住宅でも入居者の高齢化が顕著になっています。特に単身高齢者の増加は、「孤独死」という新たな課題を賃貸経営にもたらしています。
警視庁の推計によると、2024年に自宅で亡くなった一人暮らしの人は7万6020人で、そのうち76.4%にあたる5万8044人が65歳以上の高齢者でした。また、65歳以上の方の死亡推定時点から発見までの期間は「当日から1日」が39.2%と最も多いものの、「1週間以上」が26.9%(15,630人)を占めています。これは賃貸オーナーにとって無視できないリスクといえます。
【自宅において死亡した一人暮らし者の死後経過日数(2024年)】

※警視庁「孤立死者数の推計方法等について」(令和7年4月作成)より抜粋。
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/wg/r6/pdf/houkokusyo.pdf
孤独死が発生すると、まず特殊清掃や消臭作業などの原状回復費用が必要になります。これらの費用は数十万円から百万円を超えることもあり、オーナーにとって大きな負担となります。
さらに、孤独死が発生した物件は心理的瑕疵物件として扱われる場合があり、その際には次の入居者募集時に告知義務が生じます。これにより物件価値が低下し、賃料の引き下げや空室期間の長期化につながる可能性が高まります。
こうしたリスクを避けるため、高齢者の入居を断るオーナーも増えています。しかし、地域によっては高齢者を受け入れなければ賃貸経営が成り立たないケースもあります。特に地方都市や郊外では若年層の人口流出が進み、入居希望者の多くが高齢者となっているため、孤独死リスクを前提とした賃貸経営の戦略が不可欠です。孤独死を未然に防ぐ、あるいは早期に発見する仕組みを導入することが、賃貸経営の安定性を高める鍵となります。
孤独死を防ぐための最新見守りサービスいろいろ

孤独死リスクを軽減するためには、予防と早期発見が重要です。そのため、さまざまな見守りサービスが登場しています。
大手セキュリティ会社では、独自の端末を設置し、入居者の生活状況をモニタリングするサービスを提供しています。端末には緊急時に押せる通報ボタンがあるほか、一定時間操作がない場合に異常を検知する機能も備わっています。信頼性が高く迅速な対応が期待できる一方、導入費用や月額料金が高めである点がデメリットです。
電力会社が提供するサービスでは、電気の使用量データを活用して異常を検知します。一定時間電気の使用が途絶えた場合に異常と判断し通知する仕組みです。既存インフラを活用できるメリットがあるものの、生活パターンが不規則な入居者の場合は誤検知や見逃しが起こる可能性があります。
また、冷蔵庫に端末やセンサーを設置し、日常的な開閉動作を検知するサービスもあります。冷蔵庫は生活の基本的な行動に直結しているため、異常検知の精度が高いとされています。ただし、あくまで「行動の有無」を感知する仕組みであり、入居者の意思を伝える通報機能はありません。
見守りサービスとは異なりますが、孤独死による損害を補償する「孤独死保険」も存在します。孤独死が発生した際の原状回復費用や賃料損失をカバーできますが、予防や早期発見にはつながらないため、あくまでリスクヘッジの一つとして位置づけられます。
このように、見守りサービスには多様な選択肢があり、それぞれ導入コストや精度、利便性が異なります。オーナーは物件の特性や入居者層に応じて、最適なサービスを選択する必要があります。
身近な設備が見守りに...インターホンの「生活異変機能」
見守りサービスにはさまざまな種類がありますが、導入コストや入居者の生活スタイルとの相性など、課題も存在します。その点、既存設備であるインターホンを活用した「生活異変機能」は、賃貸オーナーにとって現実的な選択肢となり得ます。

アイホンの「dearis」に搭載された生活異変機能は、追加投資を抑えながら見守りサービスに近い機能を導入できる点が特徴です。天井に設置したパッシブセンサーが一定時間動きを感知しない場合、管理室やスタッフルームに異常通知が届く仕組みになっています。入居者が任意で押す「在/不在スイッチ」との連動も可能です。

また、インターホン親機(住宅情報盤)には確認画面が表示され、一定時間操作がない場合にも生活異変として通知が発信されます。専用端末やセンサーを設置すると「監視されている」と感じる入居者もいますが、インターホンは生活に自然に溶け込んでいるため、抵抗感が少なく受け入れられやすい点もメリットです。
ただし、パッシブセンサーの設置やシステム連携には一定の設備投資が必要で、既存物件への後付けには工事が伴います。また、異変通知を受信するスタッフルームや警備会社との連携体制も検討する必要があります。そのため、マンションを新築する段階にあるオーナーは、生活異変機能に対応したセンサー類の導入や連携体制をあらかじめ計画に組み込むことが望ましいといえます。
このようにインターホンの見守り機能は、賃貸経営においてとても重要な意義を持ちます。孤独死リスクを軽減することで、高齢者層を安心して受け入れられるようになり、入居者層の拡大や空室リスクの低減につながります。また、「安心・安全」を訴求できる物件として、競合との差別化にも寄与します。
孤独死は社会全体の課題であり、賃貸オーナーが積極的に対策を講じることは地域社会への貢献にもつながります。インターホンという身近な設備を活用することで、経営上のリスクを軽減しつつ、社会的責任を果たすことができます。
以上、今回の「暮らしにピンポン」では、賃貸マンションにおける孤独死の現状と、見守りサービスをはじめとするリスク回避のためのさまざまな対策について解説しました。今回紹介した生活異変機能を搭載したインターホン「dearis」についてもっと詳しく知りたい方は、本サイトのdearis商品ページをぜひご覧ください。








