
さまざまな企業が集い、従業員や来訪者が日々行き交うオフィスビル。ビル利用者が安心して働けるように建物の防犯設備を整え、セキュリティ対策を行うことは、ビル管理者や設計者の重要な務めです。今回は、オフィスビルの最初の防衛線となるエントランスの"オートロックセキュリティ"について考察していきます。
2024/12/11お役立ち情報
- オフィスは泥棒の"稼ぎどころ"!?侵入窃盗件数は年間4,200件以上
- エントランスの「オートロック」は、ビルへの不法侵入を防ぐ有効な対策
- オートロック+「最新IPインターホン」でセキュリティレベルをUP!
- コミュニケーションも円滑になり、来館者にも優しいビルエントランスに
オフィスは泥棒の"稼ぎどころ"!?侵入窃盗件数は年間4,200件以上
オフィスは一般住宅に比べて泥棒被害が少ないと思われがちですが、実際のところオフィスへの侵入窃盗は後を絶ちません。令和5年の侵入窃盗の年間認知件数は44,228件。そのうち一般事務所の割合は9.7%で、件数にすると年間4,200件以上の侵入窃盗が発生しています。
■侵入窃盗の発生場所別認知件数
※出典:警察庁「住まいる防犯110番」
オフィスの侵入窃盗被害として多いのは、金庫や金品、OA機器のほか、最近では"機密情報"があります。企業のデータや顧客・従業員の個人情報が保存されたサーバーはもちろん、個人のパソコンからも情報が抜き取られるケースがあるので要注意。こうした機密情報は高値で闇取引されることもあり、セキュリティが脆弱なオフィスは、どうやら泥棒の"稼ぎどころ"となってしまっているようです。
エントランスの「オートロック」は、ビルへの不法侵入を防ぐ有効な対策
オフィスビル、特に複数の企業が入居するテナントビルでは、見知らぬ第三者が出入りしてもなかなか気づきにくいもの。こうした不法侵入対策として、入口やエレベーターホールに監視カメラを設置したり、大規模なビルでは警備員を配置したりと、昨今のテナントビルではさまざまな対策が行われています。
中でもエントランス周りのセキュリティは特に重要です。就業時間外はエントランスを施錠し、関係者が出入りしたい時は鍵やカードで裏口から----。こうした入退管理も効果のある防犯対策ですが、これだと就業時間中はエントランスが無施錠になり、関係者以外の人もビルに出入りできてしまいます。この問題を解消するのが、エントランスの「オートロック」化です。
オートロックを導入すればエントランスの"常時施錠"が可能となり、誰でも入館できてしまう状態を回避しつつ、ビル関係者はICカードや顔認証・指紋認証などでいつでもエントランスから入館することができます。しかしながら、来客対応時の手間や、ビル関係者以外の出入りの不便さなど、オートロック化に対する懸念の声も少なからずあり、ビル管理者はテナントの声やビルの規模、コスト面などさまざまなケースを考えてオートロックの導入を検討する必要があります。
オートロック+「最新IPインターホン」でセキュリティレベルをUP!
テナントビルのオートロック化にあたり、不便な部分を解消しつつ、より防犯性や利便性を向上させることのできる設備として、「IPインターホンシステム」が注目されています。
IPインターホンシステムであれば、エントランスのオートロックを活かしながら、さまざまなセキュリティ機能を付加することが可能です。
たとえば来訪者応対。住宅用のインターホンと同様に、エントランスからの呼び出し対応時に相手の顔をモニターで確認してから遠隔解錠することができるようになり、見知らぬ不審者の入館を防ぐことができます。
また、インターホンとエレベーターのシステム連動も可能です。来訪者が訪れると、応対側のインターホン操作によってエレベーターのセキュリティを解除。エレベーターは訪問先の階にのみ停止できるようになり、来訪者は用のない他階で降りることはできません。オートロック解錠時にこっそり入って来る"共連れ"なども防止できるなど、セキュリティ性が大きく向上します。
■エレベーター連動(IPネットワーク対応インターホンIXGシステム)
最近は「QRコード認証」で、QRコードを持つ方のみに期間を限定して入館を許可する機能もよく利用されています。あらかじめQRコードをシェアし、入館時にエントランス端末にかざすことで、エントランスの電気錠が解錠できるようになります。近年増えつつあるコワーキングスペースやシェアオフィスなど、不特定多数の方が入退を繰り返すフレキシブルオフィスのワンタイム解錠キーとしても活用可能です。
■QRコード認証でエントランス解錠(IPネットワーク対応インターホンIXGシステム)
コミュニケーションも円滑になり、来館者にも優しいビルエントランスに
そしてIPインターホンシステムなら、セキュリティ性の向上のみならず、エントランスとオフィス間のさまざまなコミュニケーションの円滑化も図ることができます。
来館者には「音声ガイド」で操作をサポート。エントランス端末がスムーズに操作できるよう、画面の「呼出」「通話」「解錠」などの文字表示だけでなく、音声メッセージを添えて動作の状態をお知らせするので、初めてビルに来館される方も安心して利用できます。
■音声ガイド(IPネットワーク対応インターホンIXGシステム)
外国の方の入館が多い場合は「案内表示多言語対応」が便利。画面の案内表示や音声ガイダンスは、日本語を含めて全12言語に対応しており、来館者が一時的に言語を切り替えることが可能です。
さらに「双方向映像付き通話」なら筆談や手話でコミュニケーションをとることもできるので、外国の方や聴覚障がいのある方もお互いの顔をモニターで確認しながら会話できます。
■双方向映像付き通話(IPネットワーク対応インターホンIXGシステム)
ちなみにこのIPインターホン、下図のように呼び出し先の画面表示がテナントの案内板替わりになるので、テナントの入退居が頻繁なビルでは案内板の設置を取りやめ、インターホンの画面表示のみで済ませることもあるとのこと。セキュリティ性のほかにもさまざまな利用価値があり、大変好評です。
■呼び出し先のフルキー表示(IPネットワーク対応インターホンIXGシステム)
以上、今回のBiz Parkでは、オフィスビルにおけるオートロックセキュリティの重要性についてと、IPインターホンシステムの導入によって実現するさまざまな利便性について紹介いたしました。
不法侵入対策はオフィスビルの安全性と利用者の安心感を保つために欠かせない要素ですので、ビル管理者や設計者の方はぜひ参考にしてください。
また、「IPインターホンシステム」についてもっと詳しく知りたい方は、以下から資料をぜひダウンロードしてください。