近年、マンションやアパートを取り巻くセキュリティ環境は、大きく様変わりしています。防犯設備の進化により、共同住宅への侵入強盗は減少傾向にあるものの、エントランスでの「共連れ」や「なりすまし」による侵入など、ニュースで報じられる事例は今なお後を絶ちません。設備が整っているからといって安心が保証されているわけではなく、むしろ油断が生まれやすい今こそ、防犯対策の見直しが求められています。
今回の「暮らしにピンポン」では、マンション・アパートにおけるセキュリティ事情の実態をひも解きながら、これからの安心と防犯対策がどうあるべきかを考えていきます。

  • 減少傾向にあるマンション・アパートへの侵入強盗件数。しかし...
  • マンションに潜む防犯リスク。「集合住宅だから安心」は幻想?
  • マンションの基本的なセキュリティ設備。その機能と「弱点」とは?
  • 進化するマンション・セキュリティ。「最新インターホン」が果たす役割
  • 安心は「設備」だけでなく、「意識」と「連携」から生まれる

減少傾向にあるマンション・アパートへの侵入強盗件数。しかし...

侵入強盗の発生場所別認知件数の推移のグラフ

※警察庁Webサイト「年間の犯罪」参照

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/sousa/year.html

警察庁が公表している「侵入強盗の発生場所別認知件数」の過去10年間の推移によると、侵入強盗の件数は全体として減少傾向にあります。たとえば、平成26年には共同住宅で133件の侵入強盗が認知されていましたが、令和3年には55件と半数以下にまで減少しています。戸建て住宅も同様に、115件から52件へと減少しており、セキュリティ設備の普及や住民の防犯意識の向上が一定の成果を上げていると考えられます。

しかし、令和4年から令和5年にかけては、再び件数が増加傾向に転じています。この背景には、コロナ禍の収束による社会活動の再開や在宅率の低下、さらには経済的不安定さなどが影響していると見られます。外出機会の増加に伴い、空き巣や侵入のリスクが再び高まっている状況です。

また、当初は共同住宅の方が戸建て住宅よりも認知件数が多い傾向にありましたが、令和以降は戸建て住宅の方が多い年度も見られるようになりました。この変化は、共同住宅におけるセキュリティ設備の進化が一定の効果を発揮している一方で、戸建て住宅では個人の防犯意識や設備の整備状況にばらつきがあることを示唆しています。近年では、「闇バイト」などの犯罪手口が広がっており、戸建て住宅が狙われやすくなっていることも一因と考えられます。

では、「マンションは安全」と言い切れるのでしょうか。残念ながら、そうとは限りません。犯罪の手口は日々巧妙化しており、常に新しい手法で私たちの暮らしに忍び寄ります。だからこそ、防犯対策は一度整えれば終わりではなく、継続的に見直し、時代に合わせて進化させていくことが重要です。マンションやアパートにおけるセキュリティ設備や防犯対策も、時代や社会状況に応じて常に強化していく必要があります。

マンションに潜む防犯リスク。「集合住宅だから安心」は幻想?

集合住宅

マンションやアパートといった集合住宅は、オートロックの設置や管理人の常駐、監視カメラの導入などにより、戸建て住宅と比べてセキュリティ性が高いとされがちです。確かに、外部からの無断侵入を防ぐ仕組みが整っている点では、一定の安心感があります。

しかし、その「安心」は本当に盤石なのでしょうか。実際には、集合住宅ならではの構造的な盲点や、住民の意識の隙を突いた侵入手口が数多く存在しています。

たとえば、エントランスのオートロックは、住民以外の立ち入りを制限する重要な設備ですが、完全な防壁とは言えません。住民の後ろに続いて侵入する「共連れ」や、宅配業者・営業担当者を装った不審者によって突破されるケースは後を絶ちません。オートロックがあるからといって、誰かが後ろにいることに無頓着なまま解錠してしまえば、セキュリティは一瞬で崩れてしまいます。

また、ゴミ置き場や駐輪場、共用廊下などの共用部は、外部からの侵入が比較的容易で、死角も多く、犯罪の温床となりやすい場所です。特に夜間や人通りの少ない時間帯には、不審者が潜みやすく、住民が気づかないうちに建物内に入り込むこともあります。

インターホン対応にもリスクがあります。旧式のインターホンでは、音声のみで訪問者の顔が確認できず、誰が来たのか分からないまま応対してしまうことがあります。留守中の訪問者の記録が残らない場合には、ストーカーや空き巣の下見に気づくことができず、後から被害に遭って初めて不審な動きに気づくという事例も報告されています。

さらに見落とされがちなのが、窓やベランダからの侵入です。特に低層階や、隣接する建物との距離が近い住戸では、窓が犯人にとって格好の侵入口となりやすく、共同住宅であっても戸建て住宅と同様のリスクが存在します。実際、警察庁の統計でも、共同住宅における侵入強盗や窃盗の多くが「窓からの侵入」によって発生していることが明らかになっています。

このように、集合住宅だからといって油断は禁物です。むしろ、セキュリティ設備が整っているからこそ住民の意識が緩みやすく、そこに犯罪者が付け入る余地が生まれてしまうのです。

では、こうしたリスクに対して、私たちはどのような防犯対策を講じるべきなのでしょうか。次章では、マンションにおける基本的な防犯設備とその限界について、詳しく見ていきます。

マンションの基本的なセキュリティ設備。その機能と「弱点」とは?

マンションの防犯対策を考える際に、まず押さえておきたいのが「基本的なセキュリティ設備」の役割とその限界です。それぞれの機能や弱点を理解することで、より効果的な対策が見えてきます。

エントランスのオートロック

●オートロック

エントランスのオートロックは、住民以外の立ち入りを制限する設備です。来訪者はエントランスのインターホンから住戸を呼び出し、住民が解錠することで入館できる仕組みですが、「共連れ」や「なりすまし」によって突破されるケースも少なくありません。特に、住民が無意識に他人を通してしまう場面では、オートロックの防御力は大きく低下します。設備の性能だけでなく、住民の防犯意識との連携が不可欠です。

●防犯カメラ

防犯カメラは、共用部や駐車場などに設置され、映像を記録することで犯罪の抑止と証拠保全に役立ちます。遠隔監視や高解像度録画など、運用面の工夫が防犯効果を左右します。

ただし、カメラは「記録する」だけであり、犯罪や異常をその場で止める力はありません。死角がある場合や、夜間・逆光で映像が不鮮明になると、証拠能力も低下します。また、録画映像の確認や保存期間が短いと、後からの検証にも支障をきたします。「見る」カメラに加えて、「守る」ための設備との連携が必要です。

●玄関補助錠

玄関や窓に追加で取り付ける補助錠は、侵入にかかる時間と手間を増やすことで、犯人の諦めを誘う効果があります。ワンドア・ツーロックやサムターンカバーなど、DIYで導入できるタイプも増えています。

ただし、補助錠の設置位置や材質によっては、工具を使ったこじ開けに対して脆弱な場合もあります。また、住民が施錠を忘れてしまえば、どんなに高性能な錠でも意味をなしません。設備の性能だけでなく、日常的な使い方や意識が防犯力を左右します。

●人感センサーライト

人の動きを感知して自動点灯する照明は、不審者への威嚇だけでなく、住民の安心感や安全性にも寄与します。死角をなくす設置場所の選定がポイントとなります。

ただし、センサーの感度が高すぎると、風で揺れる木の枝や動物にも反応してしまい、誤作動を起こすことがあります。逆に感度が低すぎると、肝心の不審者に反応しないこともあります。また、点灯時間や感知範囲の調整を怠ると、住民のストレスや誤認を招く可能性があるため、設置後のメンテナンスが意外と重要になります。

●防犯ガラス

共同住宅における侵入強盗や窃盗の多くは、実は「窓」からの侵入によって発生しています。特に低層階や隣接建物との距離が近い住戸では、ベランダや窓が犯人にとって格好の侵入口となりやすく、集合住宅であっても戸建て住宅と同様のリスクが存在します。

防犯ガラスは、複層構造や特殊フィルムによって割れにくく、こじ開けや打ち破りに強い設計となっています。万が一割られても、破片が飛散しにくく、侵入に時間がかかるため、犯人が諦める可能性が高まります。

ただし、防犯ガラスも完全に破壊不能ではなく、時間をかければ突破される可能性があります。そのため、防犯ガラスの導入とあわせて、窓用の補助錠や防犯センサーなど、複数の対策を組み合わせることが望ましいです。

進化するマンション・セキュリティ。「最新インターホン」が果たす役割

PATMOαの商品画像

これまで紹介してきたような基本的な防犯設備には、それぞれに役割がある一方で、限界や弱点も存在します。そうした課題を補完し、マンションのセキュリティ性をさらに高める鍵として、近年急速に進化を遂げているのが「インターホンシステム」です。

従来のインターホンは、音声通話と簡易的な映像確認が主な機能でした。しかし、最新のインターホンは複数のセキュリティ機能を搭載した多機能機器へと進化しています。

●自動録画機能

留守中の来訪者を自動で録画することができ、帰宅後に映像を確認することも可能です。録画された映像は保存しておくことができるため、万が一の際には不審者の特定や証拠映像として活用できます。マンションの共用部に設置された防犯カメラの補助的な役割も果たし、より広範な監視体制を構築することができます。

●非常連動録画

住戸玄関前に不審者がいた場合には、非常ボタンを押すことで、住戸玄関子機から警報音が鳴り、LEDが点滅して威嚇します。これと同時にカメラ付き玄関子機が映像を録画するため、緊急時の状況を記録として残すことができます。音と光による威嚇と映像記録の連動により、即時対応と証拠保全の両立が可能です。

●パノラマワイド画像

左右約170度の広角レンズによって、エントランスの様子を広範囲に確認することができます。ほぼ真横に立った来訪者も映し出すことができるほか、少し離れた場所にいる不審者の姿も捉えることが可能です。死角を減らすことで、より安心できる映像確認が実現します。

●ダブルカメラ機能

エントランスと住戸玄関前の両方にカメラが設置されており、二重の映像チェックが可能です。万が一、エントランスで不審者の侵入を許してしまった場合でも、住戸前のカメラが"最後の砦"として機能します。さらに自動録画機能と組み合わせることで、留守中の来訪者を後から確認することができます。

●防犯センサー連携

インターホンにはサービス入力端子が搭載されており、窓などに設置した防犯センサーと接続することが可能です。センサーが異常を感知すると警告音を発したり、警備会社へ自動通報したりすることができます。

特に共同住宅において多発している「窓からの侵入」に対して有効であり、開閉の異常を即座に感知することで、侵入を未然に防ぐ役割を果たします。さらに防犯ガラスと併用することで、物理的な侵入の難しさと電子的な感知の両面から防犯力を高めることができ、住戸の安全性を一層強化することが可能です。

安心は「設備」だけでなく、「意識」と「連携」から生まれる

最新のインターホンは、もはや単なる通話装置ではなく、住民の安心を支える「見守りのパートナー」としての役割を担っています。映像確認や録画機能、防犯センサーとの連携など、多機能化が進むことで、マンション全体のセキュリティ性を底上げする存在となっています。

そして、マンションの防犯対策は、こうした設備の充実だけでは十分とは言えません。住民一人ひとりの防犯意識や、管理体制との連携があってこそ、セキュリティ設備の機能が最大限に活かされ、真の安心が実現されるのです。

以上、今回の「暮らしにピンポン」では、マンション・セキュリティの今とリスク、そして最新のインターホンシステムについてご紹介いたしました。最新インターホンについてもっと詳しく知りたい方は、以下より提案資料をぜひダウンロードいただき、お気軽にご相談・お問い合わせください。

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