経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く市場環境といたしましては、為替変動や欧米を中心に各国の経済環境における事業への影響に加えて米国の関税政策の動向につきましても、引き続き注視が必要な状況となっております。
なお、中長期的な成長ドライバーとしては、国内の集合住宅市場を中心としたリニューアルと海外市場であると考えております。特に海外市場におきましては、引き続き北米、欧州が中心となることは間違いないものの、アジア・オセアニア地域の更なる拡大に向けてシンガポールを中心とした販売体制の強化を進めてまいります。また、当社グループのサステナビリティ基本方針に基づき、社会課題の解決に向けたサービスの販売についても積極的に取り組みを進め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

サステナビリティ基本方針

アイホングループは、経営理念である「自分の仕事に責任を持て 他人に迷惑をかけるな」に基づき、全てのステークホルダーが安心・安全・快適を実感できる商品やサービスを提供することにより、持続可能な社会の実現に貢献します。

詳細は当社ウェブサイトをご参照ください。

サステナビリティ基本方針

国内市場

住宅市場におきましては、戸建・集合ともに新築住宅の着工戸数は減少傾向で推移しているものの、旺盛なセキュリティニーズを背景に、引き続きリニューアル需要は拡大することが予測されます。また、ケア市場におきましては、病院の新設着工件数は引き続き減少傾向にあり、高齢者施設等においても高齢者の増加で需要自体は拡大するものの、介護従事者の人員不足等により市場環境といたしましては厳しい状況が予測されます。

住宅市場

戸建住宅につきましては、積極的な提案と安定した商品供給により売上の拡大につなげてまいります。集合住宅につきましては、需要が多いリニューアルの受注促進に向けて、受注から施工までの営業支援体制強化を継続し、確実な受注につなげてまいります。また、宅配ソリューションサービス「Pabbit」につきましては、さらなる市場浸透に向けて、宅配事業者や各種生活サービス事業者との連携を強化し、社会課題である再配達問題等の解決とサービスの拡充を推進してまいります。

ケア市場

ケア市場におきましては、病院の新設着工件数は引き続き減少傾向にあるものの、病院や高齢者施設を中心に高まる「見守り支援」のニーズを追い風に、自治体等からの補助金の活用を含むソリューション提案活動を継続し、リニューアル売上の拡大につなげてまいります。

業務市場

業務市場におきましては、引き続き高まりをみせる公共施設等の無人化・省人化ニーズに即したネットワーク対応商品へのソリューション提案を推進し、既存設備の統合やスマートフォン対応による他社連携も視野に提案を強化いたします。また、昨今の犯罪の凶悪化を受けて、学校や公共施設等のセキュリティ強化に向けた取り組みを推進し、安心・安全の提供に努めてまいります。

海外市場

米国の政治動向や欧州の景気回復への不透明感、中国不動産不況に紐づく投資の停滞など現地事業活動への影響が懸念されます。しかしながら、欧米を中心にセキュリティニーズは高水準を維持しており、引き続きIPネットワーク対応商品の販売拡大に取り組んでまいります。また、アジア市場のさらなる開拓に向け、シンガポールを中心とする販売体制の強化を継続し需要の多いケア市場及び業務市場へのIPネットワーク対応商品の販売を拡大してまいります。

商品開発

開発力強化の一環として、ここ数年ではソフトウェア開発を担うソフトウェア札幌、テシオテクノロジを子会社化いたしましたが、さらなる開発力強化に向け、2024年12月に日本マイクロリンクを新たに子会社化いたしました。開発成果としては、集合住宅向けの主力インターホンシステム「PATMOα」に、Pabbit機能を標準搭載したものを2024年9月に切り替え発売することができました。今後のPabbitサービスの契約拡大に大いに貢献できると期待しております。なお、現在大規模な研究開発案件が複数件同時に進行しており、研究開発コストが高止まりしております。開発リソースを効率的に活用しながら、引き続き開発力の強化と新製品開発に努めてまいります。

生産活動

効率的な生産と商品の安定供給、商品品質の向上に向け、引き続き自動化と省人化の促進に向けた投資を進めるとともに、商品及び部品の適正な在庫水準の維持に向けた管理体制を強化してまいります。