
インターホンは、建物の出入り口での来訪者確認や内線通話など、私たちの暮らしや仕事の場面で欠かせないコミュニケーションツールです。戸建住宅やマンションで使われる「住宅用インターホン」と、工場や学校、商業施設などで活用される「施設向けインターホン」では、目的や必要とされる機能が大きく異なります。
この違いを理解することは、用途に応じた最適なインターホン選びに欠かせません。特に施設向けインターホンは、多様なニーズに応え進化を続けており、導入先施設の安全性や利便性向上に大きく貢献しています。
本記事では、住宅用と施設向けインターホンの違いをわかりやすく解説するとともに、施設向けインターホンの多彩な活用シーンと最新のIPインターホンシステムの機能をご紹介します。
2025/07/08お役立ち情報
- 住宅用インターホンとは
- 施設向けインターホンとは
- 住宅用と施設向けインターホンの主な違い
- 施設向けインターホンの多彩な活用シーン
- まとめ
住宅用インターホンとは
住宅用インターホンは、主に戸建て住宅や集合住宅(マンション・アパート)で利用され、来訪者の確認・居住者との通話を目的に設計されています。近年はテレビドアホンが主流で、高画質な映像確認や録画機能に加え、スマートフォン連携による遠隔対応など、住民の暮らしをより便利で安心にする機能が充実しています。
例えば、外出中でもスマートフォンで来訪者の映像を見ながら通話でき、連動している電気錠を遠隔で解錠できるなど、住環境のスマート化が進んでいます。住宅用インターホンは、住まいの安全と快適さを支える重要なツールです。
施設向けインターホンとは
施設向けインターホンは、工場や学校、ショッピングセンター、オフィス、公共施設などの、様々な現場のニーズに応じて設計されたインターホンシステムです。たとえば、施設内の多機能トイレからの緊急呼出に対応できるほか、来訪者の応対や施設内での連絡、監視カメラとの連動による映像確認など、多様な機能を備えています。これにより、住宅用よりも高い機能性で、現場ごとの具体的なコミュニケーションやセキュリティ強化のニーズに柔軟に対応できます。
主に利用されるのはIPインターホンシステムが主流で、広範囲のネットワーク対応や他のICT機器との連携、スマートフォン連動、顔認証システムや緊急通報装置の統合など、施設全体の安全管理・業務効率化を支援します。
住宅用と施設向けインターホンの主な違い
項目 | 住宅用インターホン | 施設向けインターホン |
---|---|---|
利用場所 | 戸建住宅、マンション、アパート | 工場、学校、商業施設、オフィス、公共施設など |
主な役割 | 来訪者の確認と応対、住宅内の内線通話 | 来訪者確認、職員間連絡、緊急通報、放送、受付対応など |
通信方式 | アナログや簡易IPシステム | 高機能IPネットワーク対応 |
対応する人数・エリア | 小規模~中規模の住宅敷地内 | 大規模かつ複数建物にまたがる広範囲 |
機能 | カメラ付、録画、スマホ連携、遠隔解錠 | 多地点接続、緊急コール、双方向映像通話、API連携、QRコード認証など |
セキュリティ | 基本的な来訪者映像確認 | 厳密な入退管理、外国語対応、バリアフリー対応、監視連携 |
住宅用は主に居住者の利便性・安心を高めるのに対し、施設向けは多様な利用者の安全確保・業務効率化が強く求められています。
施設向けインターホンの多彩な活用シーン
施設向けインターホンは、その高機能性と柔軟性により、さまざまな施設での業務支援ツールとして活用されています。ここからは代表的な施設での活用例をご紹介いたします。
1.工場での活用例
工場では放送設備や来客応対、作業員と管理事務所間の連絡手段としてIPインターホンが活躍しています。高画質の映像と通話で情報伝達を効率化し、スマートフォン連動により現場からの柔軟な対応が可能です。コスト削減や安全性向上にも貢献しています。詳細は以下をご覧ください。
工場でのIPインターホン活用例はこちら
2.学校での活用例
近年の侵入事件を背景に、防犯強化と来校者管理の円滑化が求められる学校では、IPインターホンによる来訪者の映像確認や遠隔からの解錠操作が安心・安全の要となっています。補助金制度も活用でき、ICT環境を活かした導入が進んでいます。詳しくは以下をご覧ください。
学校でのIPインターホン活用例はこちら
3.ショッピングセンターでの活用例
ショッピングセンターで巡回業務を行う警備員の業務効率化にも、IPインターホンは有効です。スマートフォンとの連動で巡回中の来客応対を可能とし、施設警備業務をサポートします。詳しい活用事例は以下をご覧ください。
ショッピングセンターでのIPインターホン活用例はこちら
4.その他施設での活用例
その他にも駅やオフィスビル、物流施設、空港など多種多様な施設で施設向けインターホンは活用されています。広範囲の出入管理、緊急通報、多言語対応やバリアフリー機能など、施設の特性に合わせて柔軟にカスタマイズ可能です。今後も社会のニーズに応じて役割はさらに拡大しています。
IPインターホンシステムのメリットと最新機能
近年の施設向けインターホンは、従来のアナログ通話専用機から進化し、IPネットワークを利用した高機能システムが主流です。特に注目されるのが以下のようなメリットと機能です。
- ネットワーク対応による広域接続
LANケーブル1本で接続でき、敷地の広い施設や複数拠点をシームレスに結びます。サーバーレス構成で接続距離の制限もありません。 - スマートフォン連動(専用アプリ)
専用アプリを使えば、警備員やスタッフが事務所外でも来訪者応対やゲート解錠操作ができます。場所を問わず柔軟なコミュニケーションが可能です。 - 多様な通話・認証機能
カメラ付ゲート端末で映像通話や双方向画像確認ができ、筆談や多言語ガイダンスにも対応。QRコードを利用したワンタイム解錠機能もあり、利用者に応じて安全な出入管理が実現します。 - 緊急通報・トイレ呼出連動
トイレや特定場所の緊急呼出をIPインターホンシステムに統合可能で、迅速な対応と運用の効率化に役立ちます。 - 他システムとの連携・カスタマイズ
ONVIF対応により映像監視システム等との連動が可能です。他にもニーズに合わせた柔軟なシステム構築が行えます。
これらの機能を備えたIPインターホンは、単なる通話機器を超えて施設の安全・快適な運営の基盤となっています。
まとめ
住宅用インターホンと施設向けインターホンは、ターゲットや機能に明確な違いがあります。住宅用は住民の暮らしに直結した便利機能を中心に、施設向けは多様な利用者や緊急時対応、大規模システム対応を実現しています。
特に施設向けのIPインターホンは、工場、学校、ショッピングセンターといった多種多様な現場で活用されており、スマートフォン連動や映像通話、多言語対応など最新のICT技術を活用して施設の安全・効率化に貢献しています。
今後も変化する社会ニーズに応じて機能強化やカスタマイズが進み、より安心・安全・快適な空間づくりを支える重要なツールとしての役割が期待されています。施設の特性や目的に合わせた最適なインターホンシステムの選択が、豊かな生活・働く環境の実現につながります。
IPインターホンを活用した業務改善のヒントは、以下の資料にまとめています。是非ご覧ください。